沖縄県暴力団排除条例
平成23年7月26日条例第35号
改正
平成25年3月30日条例第48号
平成30年10月31日条例第61号
沖縄県暴力団排除条例をここに公布する。
沖縄県暴力団排除条例
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 暴力排除活動に関する基本的施策等(第6条―第10条)
第3章 青少年の健全な育成を図るための措置(第11条・第12条)
第4章 事業者による利益の供与の禁止等(第13条・第14条)
第5章 暴力団員が利益の供与を受けることの禁止(第15条)
第6章 不動産の譲渡等をしようとする者の責務(第16条・第17条)
第7章 暴力団排除特別強化地域(第18条―第20条)
第8章 義務違反者に対する措置等(第21条―第23条)
第9章 雑則(第24条)
第10章 罰則(第25条・第26条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、県内において暴力団員による不当な行為が県民生活に不当な影響を及ぼしている現状に鑑み、暴力排除活動に関し、県及び県民等の責務を明らかにするとともに、青少年の健全な育成を図るための措置、事業者による利益の供与の禁止等を定めることにより、県民の安全かつ平穏な生活の確保を図ることを目的とする。
一部改正〔平成25年条例48号〕
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 暴力団 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。以下「法」という。)第2条第2号に規定する暴力団をいう。
(2) 暴力団員 法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。
(3) 暴力排除活動 暴力団員による不当な行為を防止し、及びこれにより県民生活又は事業活動に生じた不当な影響を排除するための活動をいう。
(4) 県民等 県民及び事業者をいう。
(5) 暴力団事務所 暴力団の活動の拠点となる施設又は施設の区画された部分をいう。
(基本理念)
第3条 暴力団の排除は、暴力団が県の区域における事業活動及び県民の生活に不当な影響を与える存在であることに鑑み、暴力団を恐れないこと、暴力団に対して資金を提供しないこと、暴力団を利用しないこと及び暴力団と交際しないことを基本とするとともに、暴力団事務所の存在を許さないこととして、県、市町村、県民及び事業者が相互に連携を図りながら協力して、社会全体として推進されなければならない。
一部改正〔平成25年条例48号〕
(県の責務)
第4条 県は、市町村、県民等及び 法第32条の3第1項の規定により沖縄県暴力追放運動推進センターとして指定を受けた者と連携し、及び協力して暴力排除活動に関する施策を総合的に推進する責務を有する。
一部改正〔平成25年条例48号〕
(県民等の責務)
第5条 県民は、県が推進する暴力排除活動に関する施策に協力するよう努めるものとする。
2 事業者は、その行う事業に関し、暴力団員による不当な行為の防止及びこれによる不当な影響の排除に取り組むとともに、県が推進する暴力排除活動に関する施策に協力するよう努めるものとする。
3 県民等は、暴力団員による不当な行為に関する情報を得たときは、当該情報を県に提供するよう努めるものとする。
第2章 暴力排除活動に関する基本的施策等
(県の事務及び事業における措置)
第6条 県は、公共工事その他の県の事務又は事業が、暴力団員による不当な行為を助長することとならないよう、暴力団員又は暴力団員と密接な関係を有する者を県が実施する入札に参加させない等の必要な措置を講ずるものとする。
(公安委員会による保護措置)
第7条 公安委員会は、暴力排除活動に取り組んだことにより、暴力団員又は暴力団員から指示を受けた者から危害を受けるおそれがあると認められる者に対し、公安委員会規則で定めるところにより、保護その他危害防止のための必要な措置を講ずるものとする。
(県民等に対する支援)
第8条 県は、県民等が安心して暴力排除活動に取り組むことができるよう、県民等に対し、情報の提供、助言、指導その他の必要な支援を行うものとする。
(広報及び啓発)
第9条 県は、暴力排除活動に関し、県民等への知識の普及及び意識の高揚を図るため、必要な広報活動及び啓発活動を行うものとする。
(市町村への協力)
第10条 県は、市町村が、暴力排除活動に関する施策を推進する場合には、情報の提供その他の必要な協力を行うものとする。
第3章 青少年の健全な育成を図るための措置
(暴力団事務所の開設及び運営の禁止)
第11条 暴力団事務所は、次に掲げる施設の敷地の周囲200メートルの区域内においては、これを開設し、又は運営してはならない。
(1) 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(大学を除く。)又は同法第124条に規定する専修学校(高等課程を置くものに限る。)
(2) 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条第1項に規定する児童福祉施設又は同法第12条第1項に規定する児童相談所
(3) 図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項に規定する図書館
(4) 博物館法(昭和26年法律第285号)第2条第1項に規定する博物館又は同法第29条に規定する博物館に相当する施設として指定されたもの
(5) 社会教育法(昭和24年法律第207号)第20条に規定する公民館
2 前項の規定は、この条例の施行の際現に運営されている暴力団事務所及びこの条例の施行後に開設された暴力団事務所であってその開設後に同項各号に掲げるいずれかの施設が設置されたことにより同項に規定する区域内において運営されることとなったものについては、適用しない。ただし、ある暴力団のものとして運営されていたこれらの暴力団事務所が、他の暴力団のものとして開設され、又は運営された場合は、この限りでない。
(青少年に対する教育)
第12条 県は、青少年に対し、暴力団員による不当な行為を受けないようにするための教育、指導その他の必要な支援を行うものとする。
第4章 事業者による利益の供与の禁止等
(利益の供与の禁止)
第13条 事業者は、その行う事業に関し、暴力団の威力を利用することにより暴力団員又は暴力団員が指定した者に対して、金品その他の財産上の利益の供与(以下「利益の供与」という。)をしてはならない。
2 前項に定めるもののほか、事業者は、その行う事業に関し、暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなることの情を知って、暴力団員又は暴力団員が指定した者に対して、利益の供与をしてはならない。ただし、法令上の義務又は情を知らないでした契約に係る債務の履行としてする場合その他正当な理由がある場合は、この限りでない。
一部改正〔平成30年条例61号〕
(契約締結時における措置)
第14条 事業者は、その行う事業に関し、契約を締結するときは、当該契約が暴力団員による不当な行為を助長することとならないよう努めなければならない。
第5章 暴力団員が利益の供与を受けることの禁止
第15条 暴力団員は、情を知って、事業者から当該事業者が第13条の規定に違反することとなる利益の供与を受け、又は当該暴力団員が指定した者にこれを受けさせてはならない。
一部改正〔平成30年条例61号〕
第6章 不動産の譲渡等をしようとする者の責務
(不動産の譲渡等をしようとする者の責務)
第16条 県内に所在する不動産(以下この章において「不動産」という。)の譲渡又は貸付け(地上権の設定を含む。以下この章において「譲渡等」という。)をしようとする者は、当該譲渡等に係る契約を締結するときは、相手方に対し、当該譲渡等に係る不動産が暴力団事務所の用に供されるものでないことを確認するよう努めなければならない。
2 何人も、自己が譲渡等をしようとしている不動産が暴力団事務所の用に供されることとなることを知ったときは、当該譲渡等に係る契約を締結しないよう努めなければならない。
(不動産の譲渡等の代理等をする者の責務)
第17条 不動産の譲渡等の代理又は媒介をする者は、当該譲渡等をしようとする者に対し、前条の規定を遵守させるため必要な指導その他の措置をとるよう努めなければならない。
2 何人も、他人が譲渡等をしようとしている不動産が暴力団事務所の用に供されることとなることを知ったときは、当該譲渡等に係る契約の代理又は媒介をしないよう努めなければならない。
第7章 暴力団排除特別強化地域
追加〔平成30年条例61号〕
(暴力団排除特別強化地域)
第18条 暴力排除活動を特に強化する必要がある地域として、次に掲げる地域を暴力団排除特別強化地域(以下この章において「特別強化地域」という。)とする。
(1) 那覇市松山1丁目1番から5番まで、松山1丁目13番及び松山1丁目14番並びに松山2丁目1番から12番まで
(2) 沖縄市上地一丁目1番から3番まで及び上地一丁目9番から16番まで並びに上地二丁目1番、上地二丁目2番及び上地二丁目8番から10番まで
追加〔平成30年条例61号〕
(特定営業者の禁止行為)
第19条 次に掲げる営業(以下この条及び次条において「特定営業」という。)を営む者(以下この条及び次条において「特定営業者」という。)は、特別強化地域における特定営業に関し、暴力団員を客に接する業務に従事させてはならない。
(1) 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。以下この項において「風適法」という。)第2条第1項に規定する風俗営業
(2) 風適法第2条第5項に規定する性風俗関連特殊営業
(3) 風適法第2条第11項に規定する特定遊興飲食店営業
(4) 風適法第2条第13項に規定する接客業務受託営業
(5) 風適法第2条第13項第4号に規定する酒類提供飲食店営業(午前零時から午前6時までの時間において営業を営むものに限る。)
2 特定営業者は、特別強化地域における特定営業に関し、暴力団員からその営業所における用心棒の役務(営業を営む者の営業に係る業務を円滑に行うことができるようにするため顧客、従業者その他の関係者との紛争の解決又は鎮圧を行う役務をいう。次項及び次条第2号において同じ。)の提供を受けてはならない。
3 特定営業者は、特別強化地域における特定営業に関し、用心棒の役務の提供を受ける対償又は特定営業を営むことを容認させる対償として、暴力団員に対して、利益の供与をしてはならない。
追加〔平成30年条例61号〕
(暴力団員の禁止行為)
第20条 暴力団員は、特別強化地域における特定営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 客に接する業務に従事すること。
(2) 特定営業者のために用心棒の役務を提供すること。
(3) 特定営業者から前条第3項に規定する利益の供与を受けること。
追加〔平成30年条例61号〕
第8章 義務違反者に対する措置等
一部改正〔平成30年条例61号〕
(報告徴収)
第21条 公安委員会は、第13条又は第15条の規定に違反する疑いのある行為をした者その他関係者に対し、公安委員会規則で定めるところにより、その事実を明らかにするために必要な限度において、説明又は資料の提出を求めることができる。
一部改正〔平成25年条例48号・30年61号〕
(勧告)
第22条 公安委員会は、前条の規定により説明又は資料の提出を求められた者が正当な理由がなく拒んだときは、公安委員会規則で定めるところにより、必要な勧告をすることができる。
2 公安委員会は、第13条又は第15条の規定に違反する行為があった場合において、暴力団員による不当な行為を助長するおそれがあると認めるときは、公安委員会規則で定めるところにより、当該行為をした者に対し、必要な勧告をすることができる。
一部改正〔平成25年条例48号・30年61号〕
(公表)
第23条 公安委員会は、前条の規定により勧告を受けた者が正当な理由がなく当該勧告に従わないときは、公安委員会規則で定めるところにより、その旨及びその勧告の内容を公表することができる。
2 公安委員会は、前項の規定による公表をしようとするときは、公安委員会規則で定めるところにより、当該公表に係る者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。
一部改正〔平成30年条例61号〕
第9章 雑則
一部改正〔平成30年条例61号〕
(委任)
第24条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、公安委員会規則で定める。
一部改正〔平成30年条例61号〕
第10章 罰則
追加〔平成30年条例61号〕
第25条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(1) 第11条の規定に違反して暴力団事務所を開設し、又は運営した者
(2) 相手方が暴力団員であることの情を知って、第19条の規定に違反した者
(3) 第20条の規定に違反した者
2 前項第2号の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
追加〔平成30年条例61号〕
第26条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この条において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条第1項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同項の罰金刑を科する。
2 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
一部改正〔平成30年条例61号〕
附 則
この条例は、平成23年10月1日から施行する。
附 則 (平成25年3月30日条例第48号)
(施行期日)
1 この条例は、平成25年6月1日から施行する。ただし、第1条、第3条及び第4条の改正規定は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 改正後の第18条及び第19条第2項の規定は、この条例の施行の日以後に改正後の第18条に規定する行為をした者又は改正後の第19条第2項に規定する行為をした者について適用する。
附 則 (平成30年10月31日条例第61号)
この条例は、平成31年5月1日から施行する。