名古屋市暴力団排除条例
平成24年3月26日
条例第19号
(目的)
第1条 この条例は、市における暴力団の排除の推進に関し、基本理念を定め、並びに市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項等を定めることにより、市、市民及び事業者が一体となって暴力団の排除を推進し、もって市民の安全で平穏な生活を確保し、及び社会経済活動の健全な発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 暴力団 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。以下「法」という。)第2条第2号に規定する暴力団をいう。
(2) 暴力団員 法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。
(3) 暴力団の排除 暴力団員による不当な行為を防止し、及び暴力団員による不当な行為により市民の生活、市内の事業活動又は青少年の健全な育成に及ぼされる不当な影響を排除することをいう。
(4) 事業者 事業(その準備行為を含む。以下同じ。)を行う法人その他の団体又は事業を行う場合における個人をいう。
(5) 青少年 18歳未満の者をいう。
(基本理念)
第3条 暴力団の排除は、暴力団が市民の生活、市内の事業活動及び青少年の健全な育成に不当な影響を及ぼす存在であることを認識した上で、暴力団を恐れないこと、暴力団を利用しないこと、暴力団に協力しないこと及び暴力団と交際しないことを基本として推進されなければならない。
2 暴力団の排除は、市、市民及び事業者が相互に連携し、及び協力して推進するものとする。
(市の責務)
第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、市民及び事業者の協力を得るとともに、愛知県(以下「県」という。)及び法第32条の2第1項の規定により愛知県暴力追放運動推進センターとして指定を受けた者その他の暴力団員による不当な行為の防止を目的とする団体(以下「推進センター等」という。)と連携を図りながら、暴力団の排除に関する施策を実施するものとする。
2 市は、暴力団の排除に資すると認められる情報を知ったときは、愛知県警察その他の関係行政機関に対し、当該情報を提供するものとする。
(市民及び事業者の責務)
第5条 市民は、基本理念にのっとり、暴力団の排除に自主的に、かつ、相互に連携して取り組むよう努めるとともに、市が実施する暴力団の排除に関する施策に協力するよう努めなければならない。
2 事業者は、基本理念にのっとり、その行う事業により暴力団を利することとならないようにするとともに、市が実施する暴力団の排除に関する施策に協力しなければならない。
3 市民及び事業者は、暴力団の排除に資すると認められる情報を知ったときは、市、愛知県警察その他の関係行政機関に対し、当該情報を提供するよう努めなければならない。
(市の事務及び事業における措置)
第6条 市は、公共工事その他の市の事務又は事業により暴力団を利することとならないよう、暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者を公共工事の入札に参加させないことその他暴力団の排除のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(公の施設の利用における措置)
第7条 市長若しくは教育委員会又は指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。)は、公の施設の利用の許可の申請があった場合において、当該公の施設が暴力団の活動に利用されることにより当該暴力団の利益になると認めるときは、当該公の施設の設置及び管理に関する事項を定めた条例の規定にかかわらず、当該許可をしないことができるものとする。
2 市長又は教育委員会は、公の施設の利用の許可をした後において、当該公の施設が暴力団の活動に利用されることにより当該暴力団の利益になると認めるときは、当該公の施設の設置及び管理に関する事項を定めた条例の規定にかかわらず、当該許可を取り消し、又は利用の中止を命ずることができるものとする。
(市民及び事業者に対する支援等)
第8条 市は、県及び推進センター等と連携し、市民及び事業者が暴力団の排除に自主的に、かつ、相互に連携して取り組むことができるよう、市民及び事業者に対し、情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。
2 市は、市民及び事業者が安心して暴力団の排除に取り組むことができるよう、愛知県警察と連携し、その安全の確保に配慮するものとする。
(青少年に対する取組等)
第9条 市民及び事業者は、暴力団又は暴力団員による犯罪その他の不当な行為から青少年を守るため、又は青少年が暴力団に加入しないようにするため、青少年に対し、指導、助言その他の必要な取組を行うよう努めなければならない。
2 市は、県及び推進センター等と連携し、前項の取組を行うほか、保護者その他の青少年の育成に携わる者が同項の取組を行うことができるよう、これらの者に対し、情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。
(社会復帰の支援)
第10条 市は、県及び推進センター等と連携し、市民及び事業者の理解を得て、暴力団から離脱した者の社会復帰の推進に関し必要な支援を行うよう努めるものとする。
(広報及び啓発)
第11条 市は、県及び推進センター等と連携し、市民及び事業者が暴力団の排除の重要性について理解を深めることができるよう、暴力団の排除の気運を醸成するための広報及び啓発を行うものとする。
(暴力団の威力利用の禁止)
第12条 市民は、債権の回収、紛争の解決等に関して暴力団員を利用し、又は自己が暴力団と関係があることを認識させて相手方を威圧する等の暴力団の威力の利用をしてはならない。
(利益供与の禁止)
第13条 市民は、暴力団の威力を利用し、又は暴力団の活動若しくは運営に協力する目的で、暴力団員又は暴力団員が指定した者に対して金品その他の財産上の利益の供与をしてはならない。
(祭礼等における措置)
第14条 祭礼、興行その他の公共の場所に不特定又は多数の者が特定の目的のために一時的に集合する行事の主催者又は運営に携わる者は、当該行事により暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとならないよう、当該行事の運営に暴力団又は暴力団員を関与させない等必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(委任)
第15条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附 則
この条例は、平成24年4月1日から施行する。