長崎市暴力団排除条例

長崎市暴力団排除条例
平成24年12月20日
条例第59号
(目的)
第1条 この条例は、暴力団の排除に関し、基本理念を定め、並びに市の責務及び市民等の役割を明らかにするとともに、暴力団の排除に関する施策の基本となる事項を定めることにより、暴力団の排除を推進し、もつて市民の安全で平穏な生活を確保し、及び社会経済活動の健全な発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 暴力団 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。以下「法」という。)第2条第2号に規定する暴力団をいう。
(2) 暴力団員 法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。
(3) 暴力団事務所 暴力団の活動の拠点である施設又は施設の区画された部分をいう。
(4) 暴力団の排除 暴力団員による不当な行為を防止し、及びその行為により市民生活又は事業活動に生ずる不当な影響を排除することをいう。
(5) 市民等 市民及び事業者をいう。
(6) 関係団体 法第32条の3第1項の規定により都道府県暴力追放運動推進センターとして指定を受けた者(第9条において「県暴力追放運動推進センター」という。)その他の暴力団員による不当な行為の防止及びこれによる被害の救済に寄与する活動等を行う団体をいう。
(基本理念)
第3条 暴力団の排除は、暴力団が市民生活及び社会経済活動に不当な影響を与える存在であり、その存在を許容できないものであることを社会全体で認識した上で、国、県、市、市民等及び関係団体と相互に連携協力を図りながら、暴力団を恐れないこと、暴力団に対して資金を提供しないこと及び暴力団を利用しないことを基本として、暴力のない平和な社会を目指す本市において推進されなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、前条に定める基本理念にのつとり、暴力団の排除に関する施策を策定し、及び推進するものとする。
2 市は、暴力団の排除に関する施策の推進に当たつては、国、県、市民等及び関係団体と連携するものとする。
3 市は、暴力団の排除に資すると認められる情報を得たときは、県に対し、当該情報を提供するものとする。
(市民等の役割)
第5条 市民等は、第3条に定める基本理念にのつとり、暴力団の排除のための活動を自主的に、かつ、相互の連携を図つて行うとともに、市が実施する暴力団の排除に関する施策及び活動に協力するものとする。
2 市民等は、暴力団員による不当な要求行為があつた場合は、市、県及び関係団体の協力を得て、その排除に努めるものとする。
3 市民等は、暴力団の排除に資すると認められる情報を得たときは、市に対し、その情報を提供するよう努めるものとする。
(暴力団との関係の遮断)
第6条 市民は、暴力団と社会的に非難されるべき関係を持つことがないよう努めなければならない。
2 事業者は、その事業活動を行うに当たつて、暴力団との一切の関係を断ち、暴力団を利することのないよう努めなければならない。
(推進体制の整備)
第7条 市は、県、市民等及び関係団体と連携して、暴力団の排除を推進するための体制を整備するものとする。
(市民等に対する支援)
第8条 市は、市民等が暴力団の排除のための活動を自主的に、かつ、相互の連携を図つて行うことができるよう、市民等に対し、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。
(訴訟の支援)
第9条 市は、暴力団事務所(暴力団事務所として使用するために整備中のものを含む。)の使用の差止めの請求、暴力団員による不法行為の被害に係る損害賠償の請求その他の暴力団員に対する請求に係る訴訟であつて、暴力団の排除に資すると認められるものを提起し、又は提起しようとする者に対し、当該訴訟に関し、情報の提供、助言、県暴力追放運動推進センターの紹介その他の必要な支援を行うものとする。
(広報及び啓発)
第10条 市は、暴力団の排除の重要性についての市民等の関心及び理解を深めるため、暴力団の活動実態の市民等への周知その他の広報活動及び暴力団の排除の気運を醸成するための集会の開催その他の啓発活動を行うものとする。
(不当な要求行為に対する措置)
第11条 市は、職員の安全及び公務の適正かつ円滑な執行を確保するため、暴力団員による不当な要求行為に対する対応方針等の策定その他の必要な措置を講ずるものとする。
(市の公共工事等における措置)
第12条 市は、公共工事その他の市の事務又は事業(以下「公共工事等」という。)の実施又は給付金(補助金その他の相当の反対給付を受けないものをいう。以下同じ。)の交付において、暴力団を利さないため、暴力団員又は暴力団関係者(長崎県暴力団排除条例(平成23年長崎県条例第47号)第16条に規定する社会的非難関係者をいう。以下同じ。)の公共工事等に係る契約(当該契約の下請け等に係る契約を含む。次条において同じ。)からの除外、給付金の交付の相手方からの除外その他の暴力団の排除のために必要な措置を講ずるものとする。
(不当な要求行為についての報告等)
第13条 事業者は、公共工事等に係る契約の履行又は給付金の交付に係る事業の実施に当たつて、暴力団員又は暴力団関係者から不当な要求行為を受けたときは、速やかに市長に報告するとともに、警察署長に通報しなければならない。
(市の施設の使用等における措置)
第14条 市長若しくは教育委員会又は地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者(次項において「市長等」という。)は、同法第244条第1項の規定により市が設置する公の施設が暴力団の活動に使用されると認めるときは、当該公の施設の使用等の許可等(許可、承認その他の処分をいう。次項において同じ。)をしないことができる。
2 市長等は、公の施設の使用等の許可等をした後においても、当該公の施設が暴力団の活動に使用されると認めるときは、当該使用等の許可等を取り消すことができる。
(少年に対する教育等)
第15条 市は、その設置する学校(学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する中学校及び高等学校をいう。)において、生徒が暴力団の排除の重要性を認識し、暴力団に加入せず、及び暴力団員による不当な行為による被害を受けないようにするための教育が必要に応じて行われるよう適切な措置を講ずるものとする。
2 市は、少年(20歳未満の者をいう。以下この項において同じ。)の育成に携わる者に対し、少年が暴力団の排除の重要性を認識し、暴力団に加入せず、及び暴力団員による不当な行為による被害を受けないようにするための少年に対する指導、助言その他の適切な措置を講ずることができるよう、情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。
(暴力団の利用の禁止等)
第16条 市民は、その活動に関し、暴力団の威力を利用し、又は暴力団の威力を利用する目的で当該活動に暴力団員を携わらせてはならない。
(利益の供与の禁止)
第17条 市民は、暴力団の威力を利用し、又は暴力団の活動若しくは運営に協力する目的で、暴力団員又は暴力団員が指定した者に対し、金品その他の財産上の利益の供与をしてはならない。
(祭礼等からの排除)
第18条 祭礼、興行その他の公共の場所に多数の人が特定の目的のために一時的に集合するような行事(以下この条において「祭礼等」という。)の主催者又は運営に携わる者は、暴力団の活動を助長し、又は暴力団を利することとならないよう、当該祭礼等の運営に暴力団又は暴力団員若しくは暴力団関係者を関与させない等必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(適用上の注意)
第19条 この条例の適用に当たつては、市民等の権利を不当に侵害しないよう留意しなければならない。
(委任)
第20条 この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。
附 則
この条例は、平成25年4月1日から施行する。