松山市暴力団排除条例
平成22年12月28日
条例第32号
(目的)
第1条 この条例は,暴力団が市民の生活及び社会経済活動に介入し,暴力及びこれを背景とした資金獲得活動によって市民等に多大な脅威を与えている状況にかんがみ,暴力団の排除に関し,基本理念を定め,並びに市及び市民等の責務を明らかにするとともに,暴力団の排除に関する基本的な施策の方針等を定めることにより,暴力団の排除を推進し,もって市民の安全で平穏な生活を確保し,及び社会経済活動の健全な発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 暴力団 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。以下「法」という。)第2条第2号に規定する暴力団をいう。
(2) 暴力団員 法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。
(3) 暴力団員等 暴力団員又は暴力団準構成員(暴力団員以外の暴力団と関係を有する者であって,暴力団の威力を背景に暴力的不法行為等(法第2条第1号に規定する暴力的不法行為等をいう。)を行うおそれがあるもの又は暴力団若しくは暴力団員に対し,資金,武器等の供給を行う等暴力団の維持若しくは運営に協力し,若しくは関与するものをいう。)をいう。
(4) 市民等 市民及び事業者をいう。
(5) 公共工事 市が発注する建設工事(建設業法(昭和24年法律第100号)第2条第1項に規定する建設工事をいう。)をいう。
(基本理念)
第3条 暴力団の排除は,社会全体として,暴力団が市民の生活及び社会経済活動に不当な影響を与える存在であることを認識した上で,暴力団を恐れないこと,暴力団に対して資金を提供しないこと及び暴力団を利用しないことを基本として推進されなければならない。
2 暴力団の排除は,市,市民等,関係機関及び関係団体による相互の連携及び協力の下に推進されなければならない。
(市の責務)
第4条 市は,前条に定める基本理念(次条において「基本理念」という。)にのっとり,暴力団の排除に関する施策を総合的に策定し,及び実施する責務を有する。
2 市は,暴力団の排除に関する施策の実施に当たっては,関係機関及び関係団体との連携を図るよう努めるものとする。
(市民等の責務)
第5条 市民は,基本理念にのっとり,暴力団の排除のための活動に自主的に,かつ,相互の連携及び協力を図りながら取り組むよう努めるとともに,市が実施する暴力団の排除に関する施策に協力するよう努めるものとする。
2 事業者は,基本理念にのっとり,その行う事業(事業の準備を含む。以下同じ。)により暴力団を利することとならないようにするとともに,市が実施する暴力団の排除に関する施策に協力するものとする。
3 市民等は,暴力団の排除に資すると認められる情報を取得したときは,市又は警察その他の関係機関に対し,当該情報を提供するよう努めるものとする。
(市の事務及び事業における措置)
第6条 市は,公共工事その他の市の事務又は事業により暴力団を利することとならないよう,暴力団員等を市が実施する入札に参加させない等の必要な措置を講じるものとする。
(市民等に対する支援等)
第7条 市は,暴力団に対する請求に係る訴訟の提起その他の暴力団の排除のための活動に市民等が自主的に,かつ,相互の連携及び協力の下,取り組むことができるよう,市民等に対し,情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。
2 市は,市民等が暴力団の排除の重要性についての認識を深めるとともに,暴力団の排除のための活動に自主的に,かつ,相互の連携及び協力の下,取り組むことができるよう,暴力団の排除の気運を醸成するための集会の開催その他の広報活動及び啓発活動を行うものとする。
3 市は,暴力団の排除のための活動に取り組んだこと等により暴力団から危害を加えられるおそれがある者に対し,警察と緊密に連携して必要な支援を行うものとする。
(公共施設の使用の不許可等)
第8条 市長,教育委員会,公営企業管理者( 松山市公営企業の組織に関する条例(昭和28年条例第29号)第3条第2項に規定する公営企業管理者をいう。)又は地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者は,公共施設(市が設置し,又は管理する施設(附属施設を含む。)をいう。)が暴力団の活動に利用されると認めるときは,当該公共施設の使用の許可について定める他の条例等の規定にかかわらず,当該条例等の規定に基づく使用の許可をせず,又は当該使用の許可を取り消すことができる。
(公共工事からの暴力団排除)
第9条 市は,公共工事を請け負わせる契約(次項第1号において「請負契約」という。)を暴力団員等又は暴力団関係事業者(法人でその役員若しくは使用人のうちに暴力団員のあるもの又は個人で使用人のうちに暴力団員のあるものをいう。以下この条において同じ。)との間で締結してはならない。
2 次に掲げる者は,公共工事に係る下請契約(建設業法第2条第4項に規定する下請契約をいう。以下この条において同じ。)を暴力団員等又は暴力団関係事業者との間で締結してはならない。
(1) 市と請負契約を締結した者
(2) 公共工事に係る下請契約を締結した者
3 次に掲げる者は,公共工事に関連する資材その他の物品の納入又は役務の提供を受ける契約(以下この条において「物品納入等契約」という。)を暴力団員等又は暴力団関係事業者との間で締結してはならない。
(1) 前項各号に掲げる者
(2) 公共工事に係る物品納入等契約を締結した者
4 市並びに公共工事に係る下請契約及び物品納入等契約の発注者は,前各項に規定する事項の遵守のため,前各項に規定する契約の締結に当たり,その相手方から自己が暴力団員等及び暴力団関係事業者ではない旨の誓約書を徴しなければならない。ただし,当該契約の契約金額(1件の公共工事に関し同一事業者間において複数の下請契約又は物品納入等契約を締結したときは,その契約金額の総額)が130万円以下の場合は,この限りでない。
5 市並びに公共工事に係る下請契約及び物品納入等契約の発注者は,前項の誓約書を契約の締結の日から5年間保管しなければならない。
(暴力団の威力の利用の禁止)
第10条 市民等は,債権の回収,紛争の解決等のため,暴力団員等の利用,自己が暴力団と関係があることを認識させることによる相手方の威圧その他の暴力団の威力の利用をしてはならない。
(利益の供与の禁止)
第11条 市民等は,暴力団の威力を利用する目的又は暴力団の活動若しくは運営に協力する目的で,暴力団員等又は暴力団員等が指定した者に対して金品その他の財産上の利益の供与をしてはならない。
(暴力団排除特別強化地域)
第12条 暴力団排除を徹底することにより,住民及び来訪者にとってより一層安全で安心なまちづくりを特に強力に推進するため, 別表に掲げる区域を暴力団排除特別強化地域と定める。
2 接客業(その業務に営業所又は営業所から派遣された場所において不特定多数の客に接する業務を含む営業をいう。)であって,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第1項に規定する風俗営業,同条第5項に規定する性風俗関連特殊営業,同条第11項に規定する特定遊興飲食店営業,同条第13項に規定する接客業務受託営業,深夜において営業する同項第4号に規定する酒類提供飲食店営業その他規則で定めるもの(以下この条及び第17条第2号において「特定接客業」という。)に該当するものを営む者(以下この条において「特定接客業者」という。)は,暴力団排除特別強化地域における特定接客業の営業に関し,暴力団員を接客業務に従事させてはならない。
3 特定接客業者は,暴力団排除特別強化地域における特定接客業の営業に関し,暴力団員から,その営業所における用心棒の役務(営業を営む者の営業に係る業務を円滑に行うことができるようにするため顧客その他の者との紛争の解決又は鎮圧を行う役務をいう。次項及び第17条第2号において同じ。)の提供を受けてはならない。
4 特定接客業者は,暴力団排除特別強化地域における特定接客業の営業に関し,暴力団員に対し,顧客その他の者との紛争が発生した場合に用心棒の役務の提供を受けることの対償として金品等を供与し,又はその営業を営むことを容認する対償として金品等を供与してはならない。
(調査)
第13条 市長は, 第9条第2項から 第5項までの規定に違反した疑いがあると認められる者, 同条第4項の誓約書に虚偽の記載をした疑いがあると認められる者その他関係者に対し,規則で定めるところにより,その違反の事実を明らかにするために必要な限度において,文書若しくは口頭による説明又は資料の提出を求めることができる。
(勧告)
第14条 市長は, 第9条第2項から 第5項までの規定に違反した者又は 同条第4項の誓約書に虚偽の記載をした者に対し,当該違反又は虚偽の記載が暴力団の排除に支障を及ぼし,又は及ぼすおそれがあると認めるときは,規則で定めるところにより,当該違反又は虚偽の記載をした者に対し,必要な勧告をすることができる。
(公表)
第15条 市長は, 第13条の規定により説明若しくは資料の提出を求められた者が正当な理由なくこれを拒んだとき,又は前条の規定により勧告を受けた者が正当な理由なくこれに従わなかったときは,規則で定めるところにより,その旨を公表することができる。
2 市長は,前項の規定による公表をしようとするときは,規則で定めるところにより,あらかじめ,同項に規定する者に対して意見を述べる機会を与えなければならない。
(規則への委任)
第16条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。
(罰則)
第17条 次の各号のいずれかに該当する者は,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(1) 相手方が暴力団員であることの情を知って, 第12条第2項から 第4項までの規定に違反した者
(2) 暴力団排除特別強化地域における特定接客業の営業に関し,接客業務に従事し,その営業所における用心棒の役務を提供し,又は 第12条第4項に規定する金品等の供与を受けた暴力団員
(両罰規定)
第18条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人の業務に関し,前条の違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その法人又は人に対しても,同条の罰金刑を科する。
2 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には,その代表者又は管理人が,その訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか,法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
付 則
この条例は,平成23年4月1日から施行する。
付 則(平成28年3月25日条例第4号)
この条例は,平成28年6月23日から施行する。
付 則(平成30年10月10日条例第27号)
この条例は,平成31年1月1日から施行する。
別表(第12条関係)
区域
一番町一丁目(1番地から11番地までに限る。) 一番町二丁目(1番地から5番地までに限る。) 一番町三丁目(1番地及び2番地に限る。) 大街道一丁目(4番地から6番地までに限る。) 大街道二丁目 勝山町一丁目(2番地から5番地まで,8番地から11番地まで,14番地,15番地及び18番地に限る。) 三番町一丁目 三番町二丁目 三番町三丁目 千舟町一丁目(2番地から6番地までに限る。) 千舟町二丁目(5番地から8番地までに限る。) 千舟町三丁目(3番地から5番地までに限る。) 道後鷺谷町 道後多幸町 道後姫塚 道後湯月町 道後湯之町 二番町一丁目 二番町二丁目 二番町三丁目